僕の人生には停滞期もあって(まあ率直に言うと"うつ"だ)、その時はそれはそれは苦しみに苦しみ抜いた。精神的にやられて、しかも仕事が続けられないわけだから、経済苦も同時に襲ってくる。そりゃあ苦しくないわけがない。
僕は幸い周囲の人に恵まれていたので良かったが、そんな状態で孤立無援になったら死にたくもなってくる。
で、そんな「学校を卒業して良い会社に就職して、経験を積んでステップアップして…」なんて順風満帆なコースから外れた僕は、その時期に色々な人に出会った。
世の中は広い。表になかなか出ないだけで、面白い人は世界にも、もちろん日本にもたくさんいる。
僕が特に印象に残っている人は、40歳を過ぎてから海外移住をした人だ。日本では仕事等がなかなか続けられず苦労された方だが、こつこつと腕を磨き、自分の食い扶持を自分で稼げるようになり、今は日本を離れ、自分が暮らしやすい国で暮らしている。
今でこそ、そのような生き方をしている人も多いことを知っているが、停滞期当時の僕にとってはあまりにも衝撃的で、それはもうびっくり仰天したものだ。正解とされる生き方は一つではないという、今の僕には当たり前となった価値観を教えてくれた。
他にも、会社を辞めて経営者になった方とも出会ったし(※2022年現在もその人は元気!)、"うつ"になったからこそ見えてきたものは、たくさんある。
で、その停滞期から徐々に復活して、僕が形成していった価値観は
「死ぬ前に『まあ色々あったけど、俺、別に後悔してねえし、俺の人生、ちゃんと生きたぜ!』って言えればそれでいいんじゃねえの?」
ということだ。
このバカでかい地球に70億人以上の人間がいるわけで、自分一人なんてどうあがいても米粒みたいなもんだ。深く考えるのも面倒だし、じゃあもっと気楽に日々を楽しんでいこうぜってこと。
もちろんそこまで簡単に割り切れることではないことは痛いほどよくわかるし、僕ももしかするとまた大きな停滞期を経験するかもしれないけど、夜明け前が一番暗いという事実("事実"と言って差し支えないと思う)を胸に抱き、人生を悔いなく生きたいものだね。